真宗三門徒派本山 専照寺
 真宗三門徒派本山専照寺は親鸞聖人の法脈を継ぐ如導上人(平判官康頼の玄孫)が七百年前伏見天皇在位正応三年当国大町の里に一宇を建立して専修寺と称したに創る。
抑々上人は祖父以来宿縁浅からざる当国に入りて各地を巡化せられるに随喜の門葉漸く多く、中にも道性、如覚、道願、祖海等の高弟をを得て大いに教化に努められたので、その教えは北は遠く熊坂を経て加州に延び、南は江若二州にも及んだ。 然るに上人滅後は教団の統帥乱れ権勢は次第に門下に移り、道性先分離して山元に一派を創め、次いで如覚も亦鯖江に一派を立てた。 又内にありては三河の勝曼寺の高珍を迎えて主とせんとする一派も生じて教団、大いに混乱したから多くの門葉は之を悦ばず、了泉の嫡男浄一を擁して蕗野里中野に移りて、専照寺と改称した。 斯くの如く三派相対して鼎立していたので世の人之を呼んで三門徒衆と云った。
専照寺山門